掟破りのルームメート

キヨハラは主人とルームシェアしている。入り口側の手前がキヨハラのスペース、窓側の奥が主人のスペース。仕切りは最初に買ったキヨハラのサークルの枠を組み合わせて使っている。

キヨハラを部屋の半分で留守番させ始めた頃、毎日のように仕切りは破られていた。キヨハラは枠と枠の間、枠と壁の間に無理無理に体をねじ込んでは主人のスペースに入っていた。入らないように枠を置いたつもりでも毎度敗北していた主人。
壁と枠の間が開かないように枠を置き枠と枠の間は紐で縛ってから、キヨハラは主人のスペースに入れなくなった。時々、紐を縛り忘れて、入られてしまう以外。

今日、私が帰って二人の部屋に入ると枠と枠の間が紐で縛られているものの15cmほど空いている。「これは？！」と思い、枠をまたぎ主人のスペースに入ると、キヨハラはその隙間にぐいぐい体を入れて、結局はするりと私のいる主人のスペースに入ってきた。


Breaking the border 

またしても破られた境界。
そういえば今日私が帰ってきたとき玄関で、キヨハラが私が帰ってきたことに反応して部屋の中で回り始める足音「タッタカタッタカ｣が聞こえ始めるのに時間が掛かったように思えた。きっと主人のスペースに入ってリラックスしていたに違いない。そして狭い隙間を通って自分のスペースに戻るのに時間を食い、「タッタカタッタカ｣回転を始めるのが遅れたのだろう。

それにしても小さな犬との知恵比べに毎度敗れる主人。そんな主人を夫に持つ私。