水曜日, 9月 22, 2004

犬も食わない

昨夜はキれていた。私がキれていた。日曜日に来客があったので、来客が来る前に主人が片づけをしてくれて、そのため、いつもの場所にあるべきものがなかった。それが次々に起こり、なのに片づけをした主人は昨夜は夜も仕事でおらず、さらに携帯に電話したら「お掛けになった電話は電源が…」のアナウンスが流れ、キれた。
メールを出してシャワーを浴びていたら、シャワー中の時間の半分以上ぐらい、電話が鳴っていて、さらにいらいらは高まった。
シャワーから出て、主人からの電話に応対した時、その感情が全身からみなぎっていたと思う。口調もキヨハラのおイタを叱る時とは比べ物にならないきついものになっていた。
電話中、視界に入ったキヨハラは、怯え直前の緊張した面持ちだった。電話を切ってから、キヨハラに優しい口調で「こっち行きましょう。」とかなんとか声を掛けたが、キヨハラの緊張した面持ちは数分解けることがなく、私を注視しながらも、いつものようには、ついて来なかった。

ドッグランなどで犬同士の喧嘩には野次馬で見に行くか無関心。ご近所のご家庭での喧嘩による罵声には、吼えて対応。
しかし、わたしと主人の喧嘩ではそれらと態度が異なる。

以前、電話でなく面と向って喧嘩したことがあった。
キヨハラを見ると、二人から等距離を置いて三角形を作るようにして位置し、狼狽の色を浮かべて二人を見ていた。事の成り行きを見ていた。
そんなキヨハラを見て、私の働く会社の主任まであと一歩、魚座O型の男性社員を思い出した。
会社はFortuneに載るような大企業。私から見るとその巨大ヒエラルキーを形成するコミュニティをうまく生きられる巧知に長けた人ばかりである。私のような時間雇いのやくざな派遣社員とは根本的に異なる人種なのだ。
その中でも絵に描いたような人間関係のバランスに心を砕き争いを好まない、見ようによっては情けなく描かれがちなサラリーマン。私はキヨハラの中にその人を見た。

犬社会の在り様を考えれば、それも当たり前なのだろう。とにかくキヨハラはボスタイプじゃない。だとすれば、二人の顔色を伺って成り行きを見るのが、全くもって妥当な行動である。
いつもはおっちょこちょいで早とちりな彼だが、本能的に冷静なこの行動には、感心した。(私には全然敵わない。)

ところで昨夜電話で私に険悪な態度で当たられた主人。今日は全く連絡がない。まめに電話やメールをくれる人なのに。電話じゃ「ごめん。」を連発していたが怒っているに違いない。
お願いだから、このまま家出なんて事がありませんように。(膝をついて両手を組んで祈り)